暗がりにいれば、光に気がつける。
会社の偉い人と別室で1時間、繰り返しくりかえし、「不満はないですね?」「全くありません!むしろ誤解を与えてすみません」などという問答を5ラリーほどおこなった。先日、久しぶりだった。
あれこれ言ってくる観点を、見てみぬふりし続けてきていて、それとは別に、隅で見つけてから真ん中に置いてきた、なけなしのやる気のある部分を削がれてしまった。そして、これはスルーしていいやつやなと思いながら、その時間をやり過ごしたのにも関わらず解放されてから、“わたしは仕事をしていないのだ”という謎の意識から逃れられていない。
わたしが仕事をしていないだと?そんな訳ないやろ。ばかやろう。
これは、評価の観点が違うから起こっていることで、快・不快の表情を見せる(それはできるようになった)だけではなく、自分の考えを言っておく方が後々、わたし自身を守れるのだろうと思うけれど、分かろうとしてくれないと諦めたのはわたしだった。(まあどうせ、分かってはくれないのだけれども。)
その後の数日間、ちゃんと褒めてくれる人が現れたり、時間を積み重ねたことで、仕事と生活の境目なく、喜ばしいこともあったりした。
それでも、“給料に見合った仕事をしていない”と言われた言葉をずるずる引っ張ってきている。
そんな訳ないやろ!!
「その日限り」で毎日を刻んで、次の予定は把握せずに連勤を重ねてきているんだから。明らかに遅い時間に帰っている事実もあるし、休憩も長くて30分だし、労働時間は改ざんしているのに。時間の話だけではなくて、必要なことをチームでやり切っているという感覚もある。
不意を突かれると、仕事を真っ当にしていることをうっかり忘れてしまいそうになる。構えていたはずが、思ったよりもくらってしまって、今回はそれが伝染して、私生活も急にグラついて、ままならなくなってしまった。
夜、ベッドに横になり、眠れんなぁと思いながら目を閉じて、怒りと悲しみで思考がぐるぐるとしたままに、新聞配達のバイクの音を久しぶりに聞いた。その日は結局、あまり眠れなかったけれども、そんな中で、わたしの大事な感覚と、やってきたことの合点に気がつけたので、とりあえず忘れないように書いておくことにした。
暗がりにいれば、光に気がつける。
まず一つ目に、「今までの時間の、光を思い出すこと」である。
その光が暗がりに翻弄されて飲み込まれることのないように、生活を整えた上で、書いて形にしていくこと。今は、月一で文章にして公開している、祖父母との食に関する記憶の記事(【満月の夜、器をかざして思い出す】)がそれになる。
昔は気がつかなかったけれども、祖父母は何をしても全てを受け止めてくれる存在で、稀有であたたかい時間だったのだと気がついた。
続いて二つ目に、「日々の生活の中で、見つけた光をつかんでおくこと」である。
もともとのわたしでいるためのもの。
これは、寝る前に寝っ転がって読む漫画(今は、HUNTER×HUNTERを再読している)だったり、通勤の行き帰りで聞く音楽(浮さん)、出勤前に1週間通して繰り返し聞く、週一ラジオ(あとは寝るだけの時間)や週一ダンス動画(JABBKLAB)、隔週更新のマンガ(ジャンプ+)、映画(映画公開までの過程や行く道中すら楽しい。DVDは今は元気があればみる)だったりする。
誰かにとっては取るに足らないものかもしれないけれども、わたしにとっては、自分に戻るため、穏やかに過ごすために欠かせないものばかりだ。そして、わたしが望めば、そこにあり続けてくれることは心強い。
最後三つ目に、「光を探すこと」である。
日々の、嬉しいこと探しみたいなもの。
社会人となり、いろいろなものがうごめいている中で、子どもたちから日々、受け取っていると感じている。元気玉になってる感じ。いろんな形の喜びがあるのだけれども、光ったそれらを大事にして、一緒におもしろがりたいと思う。
「世界中にたった1人 1人だけでも自分を信じてくれる人間がいれば救われる」
HUNTER×HUNTER(17巻、グリードアイランド編)、最近付箋を貼ったレイザーのセリフを、そういえば!と思い出して、読み返した。成績とか売り上げとか評価とか、うんぬんよりも大事なことがあったわ、と思い直している。ちゃんと嬉しいこと、いいことをみていこう。
そんな感じの光についての三つです。
現実を直視すると、どうにか毎日を刻んで、細長くして、生き延びている感じなので全体的に不安なのですが(今回はより暗さが色濃くなったから、季節の変わり目ということも相まってしんどかった)、暗闇にいるからこそ見つけられる光を大切にしたいと思う。
むしろ、光、守ってやるんやから!みとけよ!手元にちゃんと置いておくからな!!という覚悟でいる。
この間投げからられてたテーマ:「プライド」に関しても、ここに今の答えがある気がした。
夜、駐車場に車を停め、ドアを開けると、風に乗って金木犀の香りがした。気づかなかっただけで、何時間か前に雨が降っていたのだろうか?湿度が高めの風だった。空には一面に星が見えていた。
雲の切れ間から降りてくる太陽の光。風に揺れる竹林。飛行機雲。今会える人。会えていない人。もう会えない人。
一瞬の儚さはさみしいけれど、それこそが全てで、だから美しくて眩しいのかもしれない。この言い方は今まで出会ってきた記憶があるけれども、今までで一番じりじりと響いている。そう言うしかないから。
最大瞬間風速。
さみしいけれども、その光を全身全霊で味わっておきたい。
今月末、この仕事も5年目になる。
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