春の雨から芋づる式に引きずり出したあれやこれや。 曲「旅人たちの祝日」

昨日の雨で、あたたかかった。雪が晴れの国に比べてたくさんの、わたしの地元では、雪ではなく、雨が降ると、あたたかかった。雨が降ることが分かると、「あたたかくなるなぁ」とおばあちゃんやおじいちゃんは言った。大家さんの家のおそらく梅である花がいつの間にか散っていた。マスクをしていると、春のにおいが分からなくて不安になる。土の肥料のにおい、花のにおい、雨が降った後の雨のにおい。海辺に行けば、船の油のにおい、潮のにおい。冬場は特に海辺に行ってもあまりにおいがしない。海のにおいをかぎにきて、安心したかっただけなのに、そうやったと思い出す。雨が降った後のにおいのほうが残る。この時期、一昨日の夜からの雨は、完全に春の雨だった。午後になる前、早くから活動開始して、結局時間ぎりぎりで、アパートのドアを勢いよく開けた瞬間、部屋に入ってくると同時に、わたしに取り巻いてくる春の風。縮こまるような寒痛さは微塵もなくて、雨も明け方にはおそらく止んでいて、少し湿っている土の音とやや柔らかい感触を駆け足で感じながら行く。車のドアを思いっきり開けば、ドアに付いている小さい虫が勢いに乗って車内に入ってくる。その虫数匹を追い出したいがために窓全開にして、運転を始めれば、スピードと共に風に乗って、虫は自分の世界に戻っていく。そのことは目視して安心したい。虫が行っても、風は冷たくなくて、あたたかい風に変わっている。アスファルトも乾いてきて、ほどよく心地良い風が車の中に入ってくる。春だなぁ、道路の周りの緑たちは活きいきとしてきていた。


昨日こんな時に、ふと思い出して、頭の中でループして流れ出したのは、坂元裕二脚本のドラマ「カルテット」の中で、路上で演奏するシーン。ドーナツホールという名前の4人が楽しく演奏している。調べたら、曲名は「Music For A Found Harmonium」だった。公式とか動画は出てなかった。その部分が観たいがために、今もやもやとしている。「カルテット」は、その路上だけではなく、ドラマ本編もとてもすきである。キャストも話の展開もしっかりしていて、終わり方のストーリーはぼやかしていて、繰り返して観れるドラマだと思っている。

ドラマと言えば、最近は観てないけれど、湊かなえ氏原作のドラマもすきだ。「リバース」や「Nのために」を思い出した。原作もすきで、図書館や自分でも買ったりした。
『贖罪』は確か、鳥取に旅に行くタイミングで図書館から借りて、内容知らずになんとなく持ってきていて、鈍行列車の運転中、普段は景色ばかり音楽聴きながら眺めてる派だけれども、その日は遅延とかが重なりすぎて、飽きて本を読んでいた。ドラマもだけれど、湊かなえ氏のストーリーは、章ごとに登場人物、一人ひとりの視点から“起きたあること”について描かれていて、章を重ねていくうちに“あること”に対して“起こったこと”が重なっていって、最後の最後に一つの線が通り、なおかつ、突き放されたようにその事実の結末が最高なのである。

『贖罪』も章を進めるうちに引き込まれていって、最終的に目的地のゲストハウスの駅で降りて、トイレが駅になくて、湖近くの草むら化した原っぱに面した公衆トイレが本当に不気味でしょうがなかったことを思い出した。自分の足音にビビってた。笑 そんなストーリー、湊かなえ氏、最高だった。その日も確か、雨が上がって、窓が開けられるタイプの電車で、少々空気悪くて下の方を開けていた気がする。一本道、辺りは田んぼで、日本海に面したその地。風力発電の風車的なものもゆっくり回っていた。車内に風がはいってくる。新聞読んでるおじいさんの新聞もなびいていた。

話がとっ散らかったのだけれども、連想的に一つを思い出すと、芋を掘り出すときのようにするする思い出す。
全部、自分がすきなように勝手に楽しんできている。一人で好き勝手にして喜んでいることを積み重ねていけば、いつかの自分の宝ものになる。


最後のさいごにこれだけ。「カルテット」の路上演奏の動画がすぐ観れんからって、次に思い出して観たのが、表現(Hyo gen)の曲「旅人たちの祝日」である。
これは、尾道にいけば必ず行っていた「ホホホ座 コウガメ店」のSNS投稿のなかで、ライブがあるのを踏まえて、店主がすきな曲として紹介されていた。今は、ケータリングや出店とかが主になったようで、食べれてないけれども、コウガメさんのところのキャロットケーキとかクッキーがすきだったし、ここでこっそり見つけたZINEとか作家さんの作品がすきだった。

特に去年は、身動きとれなくてたくさん「旅先たちの祝日」を観たかな。これも路上演奏。自由なたたずまいで演奏していて、楽しそうで、以前から何度もここから勇気もらっていて、思ったことをいろいろやっていいと思ったお守りのような映像。楽器の演奏憧れて、ウクレレ買ったりしたけど、結局全然進まなかったりするけど。笑 

少年少女たちが走り去っていくところが音と合っていて気持ちよく風が吹き抜けていくなぁと感じていたりします。

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