仕事を辞めて半年以上たったころ、夜中のジョイフルが心地良くて、長居してしまう時期があった。
飲食のバイトじゃないのにシンクに置いてあるグラスを洗うように言われたり、いろいろ聞いた結果、ずる賢い人が悠々と生活していたり、弟の方がちゃちゃちゃっと上手いこと社会人してたり。今から冷静に思えば、それは一側面で、みんなそれぞれ頑張っているのだろうけれど。
細かく切り詰めて神経質になる自分と周りの人がきらきらと羨ましく思う気持ち。なにもかも上手くいかない、社会と自分自身の中でつじつま合わせながら生活ができていないことに苛々していた。うまいこと伝えることもできない。必要とされていない。
時間があると、ネガティブな嫌な考えばかりが浮かんだりしていた。そんなとき対照的に、実家での生活もよく思い出した。みんないる。死んだ祖父母もいる。今一人で、こんなに苦しいけど、自分で選んでこの場所にいると思っているけど、この場所にいる自分の意志があやふやなように感じた。そこまでして？なんのために？今感じることを歯ぎしりしながら味わっていた。誰にも分かるわけあるまいと。
そんなときに、深夜のジョイフルは落ち着いた。オレンジがかった電気と、色は剥げていているソファ。いつからあるのか、アヒルの置物。うっすらホコリがかっている。学生、外国の人、夜勤っぽい人、流れている音楽は10年以上前の音楽で、ピアノ調のやつとか。日中の活気とは違う、各々の話し声も気にならない静かさで、ひっそりと流れる時間がそこにはあった。みんなが生きてるなぁと思った。
この本を読んで、そんな深夜のジョイフルを思い出した。こういうことを思っていたことも思い出した。変わらずに劣等感を持ちながら、生活しているし、白か黒かというものはなくて、感覚的で。明確な見えているものはなくて、でも、意地は張っていて。誰にも伝えることはできなくて。音楽、映画、本を漁っている。
そんな人間を、全肯定して包み込んでくれる尾崎世界観さんと7人が対談する本だった。
対談者の表現や行動を俯瞰して、解釈して、伝えて、話がまた発展していく。そんな中で自分の感覚的なことが言語化され、劣等感もまるまる肯定されているように思えた。
「自分はこうだと主張するような信念もないし、かといって信念がまったくないわけでもない。その曖昧さ。ストーリーは自分を覆ってくれる安心感があるんです」
「人間はみんな、生きていれば成長するらじゃない。その都度勉強しているわけ。心の痛みや動きを感じることで勉強している。逆に言えばそこでしか勉強できない。それが気持ちの勉強」
「無理やり意味の分からないものに触れて安心していました。こういう訳の分からないものがあるのなら、もっといろんなことを考えてもいいんだなと感じていたんです」
単館映画館で、暗い、グレーな内容のものを知らず知らずのうちに好んで観ている自分を思い出した。わたしは安心したいらしい。苦しいものを観続けて、武装しているのかなと思った。Jr.的な自分がかわいらしく思えた。白黒つけずにグレーな状態でいることは苦しいけれども、そういう人がわたし以外にもいた。発信して、形になっている。
「好きなバンドの真似をしたくてもできなかった。同じようにならなくて歪な形になった」できないということが行動の起点となっている。劣等感でしかない、でも劣等感からうまれるものもあるということを知った。
このご時世なので、社会人になってから今が一番、大事な人に会ってないと思う。
写し鏡のように、そんな今、出会う人たちから自分を省みて、大事な人たちの生活を祈る。そんな時間は今だからこそとれるものだと信じたい。
クリープハイプも尾崎世界観も全然触れてきていなかったが、感覚がいいなと思って、『犬も食わない』も読んだ。
白黒はっきりつけようとしてきた人が、曖昧なまま、“この人はこの人だ”と言い切ったところがお守りになるなぁと思った。
そして、家の積読から、まだあったと「ちゃぶ台 vol5』を読んだ。
「寝っ転がってでもできるのが、ものづくりという心持ちで、音楽や小説を書いている」とのこと。抜け感がいいなとおもった。がちがちせずに、社会のグレーさと対峙したときに思うモヤモヤと自分の葛藤も、そのままに口笛でも吹いていたいなとすこし思えた。ほんまかいな。2日後とかにまた見返したい。
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そういえば、タピオカはただの流行りだと思って近寄りもしなかったけれども、この間、貰ったので飲んでみました。黒糖とか、アジアな味も多くて、タピオカの感触も癖になりました。なんなん、これ知らんかったんやなと思いました。なかなか大発見だったので、その後自分から買いもとめてます。
頑固さのなかで、新しい衝撃も大きいので、自分が死なない程度に、口笛吹くくらいの心持ちでやっぱり受け取りたいです。でも、自分バランスは難しい。。
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